ヌケニン [編集]
No.292 タイプ:むし/ゴースト 特性:ふしぎなまもり(「こうかがばつぐん」以外の攻撃技を受けない) 体重:1.2Kg(けたぐり・くさむすびの威力20)
ポケモン | HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早 | 合計種族値 | 特性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ヌケニン | 1 | 90 | 45 | 30 | 30 | 40 | 236 | ふしぎなまもり |
HPは実数値1固定。
※特性「ふしぎなまもり」により、ほのお・ひこう・いわ・ゴースト・あく以外のダメージのある技を受けない。
「むし×ゴースト」の複合タイプと、特性「ふしぎなまもり」を持つ唯一のポケモン。
HP実数値が1で固定だが、効果抜群以外の攻撃技を無効化する非常に特殊な性質を有する。
あらゆるポケモンを技構成次第で完封でき、他のポケモンでは巻き返しようがないような積み技による展開さえも有効打がなければ流してしまえる。
パーティに入れておくだけで選出を誘導できる、非常に影響力の強いポケモンと評すことができよう。
もっとも、以下の理由により、簡単に採用できるポケモンとは言えない。
- 対策要素が非常に多い
- 5つある弱点のタイプで攻撃されることはもちろん、かたやぶり持ちの攻撃、状態異常によるスリップダメージ(やけど・どく・こんらん)、天候ダメージ(あられ・すなあらし)、ステルスロックでも即死する。
自身の攻撃技が接触技ばかりなのでゴツゴツメット・さめはだ・てつのトゲでもひとたまりもない。
現環境ではヌケニンを意識せずとも上記いずれかの要素を採用しているパーティが多く、何の役にも立たずあっさり吹き飛ばされるケースも珍しくない。
やどりぎのタネ搭載のテッカグヤ、スカイスキン持ちのメガボーマンダ、かげうち搭載のミミッキュというように、見かけない方が珍しいほど。
他、ステルスロック+ふきとばし・すなあらし・炎技など、構築だけで対策要素を含んでしまうカバリザ構築など。
また、HPが1なので火力に関係の無い追加効果の優秀なサブウェポンでついでに倒されてしまうケースもある。
S操作技としてじならしやローキックと違い無効タイプが無く、地面・格闘・鋼タイプを主体に搭載率を増しているがんせきふうじ、
アイテム掃討の役割としてサブウェポンに入れられているはたきおとすは、ヌケニンの弱点タイプなために厄介。
出落ち対策にはラムのみ・ぼうじんゴーグル・ぼうごパッドといった手段もあるが、いずれもピンポイントで、持たせたいきあいのタスキとの両立もできず、撒かれやすいステルスロックへの対策は皆無。
- どのポケモンを完封できるのか判別できない
- 運用上最大の課題と言える。
思わぬポケモンに先発ステルスロックを撒かれて役割放棄、打点のなさそうなアタッカーにどくどくを撃たれて即死など、立ち回りが安定しない。
ハッサムやナットレイ対策のために持つめざめるパワー炎、草タイプが相性補完となるめざめるパワー岩も両方が弱点なため、
該当タイプを持っている可能性のあるポケモンから奇襲を受けてしまうことも。
構成の多様化が進む第7世代現在、実際にヌケニンが機能するかどうかは鉢合わせてみるまでわからないことも多い。
HP1という性質上、一手読み違えるだけで即死につながるためリカバリーが効かない。
- 火力が低い
- A90で一致技の火力も90止まりなため火力は控えめ。サブウェポンもお世辞にも充実しているとはいい難い。
有利な相手と対面出来ても流し先に負担を与える手段に欠けるため、相手を処理しきれず味方へのサイクル負担が増え、結果的にジリ貧になることも。
運用に際しては、これらの欠点をいかに補いふしぎなまもりの魅力を活かせるかが重要となる。
有効打を持たない相手を確実に受けきれるという性質上、受けループの変則的なサイクルパーツとして適性を見出だせるか。
特にメガヤミラミと組んだいわゆるヤミヌケ構築は優秀。ヌケニンが苦手な各種変化技をメガヤミラミがマジックミラーで跳ね返し、
メガヤミラミが苦手なフェアリーはヌケニンに対して有効打を持っていないケースが多いため、比較的安定して受けきれる。
総じてパーティ単位の運用で初めて個性の光るポケモンであるため、しっかりと役割分担された構築で採用するのが吉と言える。
第7世代では勢力を増しているフェアリータイプ、特にカプ系の一致技を一切受け付けない点が強み。
ただしカプ・テテフやカプ・レヒレのフィールド下では先制技や状態異常技が無効化されてしまう。
自身へのメリットもあるものの、おにびやどくどく、かげうち等の主力技を封じられるデメリットの方が大きい。
USUMにてサイドチェンジを習得。独自の耐性を活かせるか。
基礎データ [編集]
特性考察 [編集]
- ふしぎなまもり
- こうかばつぐん以外の攻撃技を無効化する。
- 技自体を受けないので追加効果も発動しない。
- 無属性攻撃[1]は受ける。
- 特性無視系の特性・技からの攻撃は受ける。
- 一部の特性を変更する効果に対して例外となり受け付けない。
- 技「なりきり」「スキルスワップ」、特性「レシーバー」「かがくのちから」。それ以外は全て有効。[2]
- 攻撃技以外は無効化できない。
- 変化技全て
- まきびし、どくびし、ステルスロック
- 状態異常、天候、反動、道具、特性のダメージ
- 混乱自傷ダメージは無属性攻撃扱いなのできあいのタスキが発動する。
- 拘束ダメージは無効化できないが、ほのおのうず・マグマストーム以外はタイプ相性により初撃が無効化されるので受けない。
個体値について [編集]
- ヌケニンの理想個体値
- HPが1固定で、ダメージを受けると必ず瀕死となるヌケニンは、基本的にHP・防御・特防の個体値は無関係。
基本的に、ヌケニンの努力値配分はAS252となる。
ただし、細かい部分まで考慮すれば防御・特防にも理論的理想が存在する。
- まず、相手のかわりもの・へんしん・ガードスワップ対策の観点では防御と特防の実数値は低ければ低いほどよい。
逆にダブルで自身のヌケニンにへんしんする戦術を行う場合は定石通り高い方がよい。
- また、ダウンロード対策として耐久値を防御<特防に調整する場合、防御を最低値(Lv.50の場合45)にし、
特防が防御実数値+1になるよう個体値調整すること(Lv.50の場合実数値が46になる個体値は22~23)。
現環境ではダウンロード対策の方が有用に作用するため、理想個体値は防御下降補正性格の、x-31-0~3-x-21~23-31(D個体値21なら余り努力値4をDに振る。23なら振らない。22はどちらも可)。
例外はトリパ投入の最遅型、むしのていこう等の特殊技採用型など。
技考察 [編集]
物理技 | タイプ | 威力 | 命中 | 効果 | 解説 | |
---|---|---|---|---|---|---|
シザークロス | 虫 | 80(120) | 100 | - | タイプ一致技。性能安定。 ヘドロえきやメタモンを考えるときゅうけつよりこちら。 | |
れんぞくぎり | 虫 | 40(60) →80(120) →160(240) | 95 | 連続命中で 威力上昇 | 一致技。特性で無力化した相手に連続使用する。 3段階目からは半減でも一致120技相当。 外すか別の技を挟むと威力がリセットされる。 | |
シャドークロー | 霊 | 70(105) | 100 | 急所ランク+1 | タイプ一致技。性能安定。 | |
ゴーストダイブ | 霊 | 90(135) | 100 | 溜め攻撃 | タイプ一致技。威力は高いが隙が大きい。Zクリスタルとあわせて。 | |
かげうち | 霊 | 40(60) | 100 | 優先度+1 | タイプ一致技。先制技。タスキ潰しに。 | |
あなをほる | 地 | 80 | 100 | 溜め攻撃 | 対炎・岩。威力はあるが隙が大きい。Zクリスタルとあわせて。 なお、ツチニン時のレベル技or過去作技マシン限定。 | |
どろぼう | 悪 | 60 | 100 | 道具奪取 | 相手の持ち物次第では有用。 | |
ひみつのちから | 無 | 70 | 100 | 麻痺30% | 各種フィールド下では追加効果が変化。非接触。ORAS技マシン限定。 | |
変化技 | タイプ | 命中 | 解説 | |||
おにび | 炎 | 85 | 物理アタッカー対策。炎やこんじょうに注意。 | |||
どくどく | 毒 | 90 | ダメージ源。毒や鋼には無効。 | |||
まもる | 無 | - | 様子見や、おにび・どくどくのターン稼ぎに。 | |||
あやしいひかり | 霊 | 100 | 妨害技。ローリスクローリターン。 | |||
いばる | 無 | 85 | 妨害技。ハイリスクハイリターン。 | |||
つめとぎ | 悪 | - | 攻撃・命中率補強。かげうちやおにびとあわせて。 | |||
にほんばれ | 炎 | - | 天候始動・上書きに。あまごいは覚えない。 | |||
すなあらし | 岩 | - | 天候始動・上書きに。後続の無償降臨にも。 | |||
うらみ | 霊 | - | 低PPの大技に。まもるやタスキとあわせて。 | |||
トリック | 超 | 100 | こだわりアイテムとあわせて。メガストーン・Zクリスタルには無効。 | |||
つるぎのまい | 無 | - | 攻撃補強。バトンタッチと両立できない。習得は第3~4世代のみ。レートでは使用できない。 | |||
バトンタッチ | 無 | - | つめとぎ以外積み技は覚えないので対面操作用。習得は第3~4世代のみ。レートでは使用できない。 |
型考察 [編集]
基本型 [編集]
性格:さみしがり
努力値:AS252
持ち物:きあいのタスキ/ぼうじんゴーグル/ラムのみ
優先技:かげうち/どくどくorおにび(両採用可)/まもる
攻撃技:シャドークロー/シザークロスorれんぞくぎり/どろぼう/ひみつのちから/シャドーボール
補助技:あやしいひかりorいばる/にほんばれorすなあらし/つめとぎ/いやなおと/バトンタッチ/うらみ/トリック
ヌケニンの基本型。有効打の無い水、電気、フェアリーを詰ませられる。
火力は高くない為に状態異常を絡めるのが一般的で、攻撃技はかげうちのみの場合が多い。
役割破壊のめざめるパワーやどくどくはまもるで回避したい。ぼうじんゴーグルの場合、まもるの採用率は高い。
こだわりハチマキ型 [編集]
性格:さみしがり
努力値:AS252
持ち物:こだわりハチマキ
確定技:シャドークロー/かげうち
攻撃技:シザークロス/つじぎり/つばめがえし/ひみつのちから
補助技:どくどく/おにび/あやしいひかりorいばる/トリック
交代先への削りを重視したハチマキ型。サイクルを回しながら苦手な相手を消耗させる。
ステルスロックなどを撒いておくとさらに仕事効率が増す。
種族値・技威力ともに低めなものの、ゴースト技は通りが良く、こだわりハチマキで補えばかなりの火力が出る。
仕事を終えたらこだわりトリックもできる。
技縛り偵察型 [編集]
性格:せっかち
努力値:AS252
持ち物:こだわりスカーフ
確定技:バトンタッチ/トリック
優先技:まもる
選択技:シャドークロー/どろぼう/かげうち/あやしいひかり/おにび/どくどく
※バトンタッチは習得できるのが第3~4世代のみなので、レートでは使用できない。
優秀な撹乱・偵察要員としての機能を強化し、読みリスクを排除し戦闘を有利に進める型。
ヌケニンの標準性能である「無効化できる技に繰り出し、再交代で低リスク降臨」を技や道具で強化し、
かつ2度目以降警戒されることで発生する以下の相手の選択肢に対し有利になる手段を豊富に取り揃える。
基本的な立ち回りは、
1. 先発に出して相手の弱点技使用を読む
→スカーフトリックで技を縛り後続の起点にする/有利な味方に低リスクで交代orスカーフバトンタッチ
2. ヌケニン対策がないポケモンに読みで繰り出すor先発に出して相手の交代を読む
→有利なアタッカーにバトンタッチ/スカーフトリックで相手の後続の技を縛り、
まもるで技を確認した後有利な味方にバトンタッチ/相手の後続に変化技 等
3. 相手の交代読み攻撃(ヌケニンに対し無効の攻撃)を読む
→後手バトンタッチ/スカーフトリック/変化技 等
ヌケニン対策を持つポケモンの技を固定することで、ヌケニンの繰り出せる範囲を広げることができる。
そのポケモンが再登場した際に、相手に目の前の味方への攻撃か、ヌケニン交代読みかの2択を迫れ、
ヌケニン対策ではない技を使ってきた場合、ヌケニンを繰り出せば流せ、撃ち逃げできる。
ヌケニンによる撃ち逃げはヌケニン対策を持つポケモンを全滅させればPP切れを除き勝ちが確定するので、
交代先(=ヌケニン対策技を持つポケモン)に負担をかけられる。
ただしナットレイやウルガモスなど接触時発動特性持ちがいる場合は読みが必要。
また、まもるを搦めるのでおにびやどくどくによるスリップダメージも有効。
万が一ヌケニン対策がないと読んで繰り出した相手にヌケニン対策があったとしても、
最速スカーフで最速85族や準速98族を抜けるので、先手スカーフトリックで相手の攻撃をヌケニン対策技に固定できる。
いのちのたまやくろいヘドロを奪ってしまったり、読みにくいゴツゴツメットを奪えないと悲惨なことになる。
また、きあいのタスキが無いので元々こだわりで弱点攻撃を持っている相手だと役割を果たせず落ちうる。
トリック無効のメガストーン、Zクリスタルの所持者が増えているのもつらい。
その他、採用率が低いがおいうち持ちを出されるとどうしようもない。この点に関しては読みが必要。
どくどくやふいうちをこだわりロックできれば後続積みアタッカーが動きやすくなる。
おにびやどくどくによる被害を受けにくいバシャーモ、さらにゴースト技を縛った時に動きやすくなるリングマ等と相性がよい。
【ダブル】基本型 [編集]
性格:さみしがり/ゆうかん
努力値:A252 SorC252
持ち物:きあいのタスキ/ぼうじんゴーグル
攻撃技:かげうち/ゴーストダイブ/シャドークロー/シザークロス/どろぼう/あなをほる/ひみつのちから
補助技:まもるorこらえる/サイドチェンジ/おにび/あやしいひかりorいばる/にほんばれorすなあらし/いやなおと/トリック
有利不利がはっきりしているので、明確な役割を決めて運用しないと出オチになりかねない。
ガオガエン、ランドロス(霊獣)、メガリザードンY辺りはどうやっても無理。
不一致でも搭載率の高いはたきおとすは致命傷になるが、タスキなら落とされる前に発動するので、一撃は耐えられる。
反面、強い相手にはとことん強いので、ヌケニン一体で詰ませる事も不可能ではない。
特にダブルに多いフェアリーに強い点は大きい。
がんじょう+なかまづくり等でヌケニンの特性ががんじょうになれば、弱点攻撃にも無敵になる。
がんじょう+スキルスワップが可能なのはメレシーのみで、がんじょう+なかまづくりが可能なポケモンはいない。
ただし特性ががんじょうになっても、やけど等の状態異常、さめはだ等の特性によるダメージ、ほろびのうたや天候ダメージは無効化できない。
対ヌケニン [編集]
- 注意すべき点
- 特性ふしぎなまもりを持ち、選出縛り能力が高い。
対策手段を持たないポケモンは流され、後続におにびやどくどくを入れられてしまう。
うらみやおんねん、こだわりトリックで技を制限されることも。
タイプ一致技の通りが良いので、不意のダメージにも注意。
- 対策方法
- HPは1で固定なので、弱点さえ突ければ一撃で倒せる。
他にも状態異常や天候ダメージ、ゴツゴツメット等にも弱い。
かたやぶりやステルスロックは対策されにくいため特に有効。
外部リンク [編集]
[1] わるあがき、混乱自傷ダメージ
[2] トレース、ミイラ、なやみのタネ、シンプルビーム、なかまづくり、いえきは有効。
例えば、ものまねウソッキーがなかまづくりでヌケニンをがんじょうにすると、常にHP満タンのため弱点攻撃でも耐えられるようになる。