イーブイ [編集]
No.133 タイプ:ノーマル 通常特性:にげあし(野生のポケモンから必ず逃げられる) てきおうりょく(タイプ一致による威力の補正が1.5倍から2倍になる) 隠れ特性:きけんよち(相手が弱点タイプの攻撃技または一撃必殺技を覚えているかどうかが分かる) 体重 :6.5kg(けたぐり・くさむすびの威力20)
ブイズ:イーブイ シャワーズ サンダース ブースター エーフィ ブラッキー リーフィア グレイシア ニンフィア
8種の分岐進化先(通称ブイズ)を持つ単ノーマルポケモン。
進化前らしく貧弱なステータスだが、第7世代より全能力2段階上昇効果の専用Zワザ「ナインエボルブースト」を獲得し、構築の軸となり得る性能を得た。
自身の継戦能力は低いが、エースへのバトンタッチが成功すれば半ば勝利が決定するほどの甚大な爆発力を誇る。
従来のバトンタッチコンボよりも圧倒的に成立が早いため、無警戒・無対策で隙を与えてしまうのは非常に危険である。
ただし、イーブイZ以外のアイテムを持てず、ちょうはつやほえる、ほろびのうたなどの妨害には非常に弱い。
耐久力を補うこともできず、味方のサポートなしには運用が難しいため、構築難易度も高い。
パーティーコンセプト上バトン失敗がそのまま敗北に繋がりやすく、良くも悪くも非常にピーキーなポケモンである。
バトン対策たる要素をいかにかいくぐるか、そもそも選出段階でバトンを通せるかの見極めが、イーブイを活かす上での課題となる。
特性考察 [編集]
環境にいるバトン型では、どの特性も恩恵はほぼないと言って良い。
ノーマル技を搭載しない限りは、トレース対策としててきおうりょく以外を選択。
- にげあし
- 対戦時に発揮される効果はないが、一般的なナインエボルブースト型には最も噛み合っている。
特性がトレースのポケモンが相手の場合はこの特性が最も被害が少ない。
- てきおうりょく
- ノーマルタイプ技を威力2倍で使える。
基本的には三つの特性の中で一番強力だが、特にメガフーディンなど一部のトレース持ちにトレースされると厄介なことになるため、ノーマル技を入れない場合は相手のトレースを考慮し採用しない。
ダブルバトルだとトレースは仕様によりマイナーなためこの特性での採用が多い。
- きけんよち
- 隠れ特性。弱点が格闘しかないので格闘技or一撃必殺技の有無を判断できるが、バトン型のイーブイがそれを見抜いても意味はほとんどない。
にげあしと同じくトレース対策になる。
微々たる差だが、きけんよちが発動する=特性はにげあしやてきおうりょくではないとバレてしまう。
結果、てきおうりょく補正の乗るノーマル攻撃技を持たないことが推測されてしまう。
技考察 [編集]
- アシストパワーの威力
- 「20+(上昇しているランク補正の数)×20」
下降しているランク補正は関係ない。
相手に能力を下げられていない状態で《エボルブースト》を使うと、攻撃2・防御2・特攻2・特防2・素早さ2、上昇数は合計10になるので、威力は
「20+10×20=20+200=220」となる。
《エボルブースト》の前か後にいかく1回されたなら攻撃1・防御2・特攻2・特防2・素早さ2なので、威力は
「20+9×20=20+180=200」。
仮にすなかけやあまいかおりでABCDS以外のランクをマイナスにされたとしても、威力はマイナス20×nされることはない。
- とっておきの効果
- この技を使うためには、覚えている最大4つの技のうち「とっておき」以外の技をそれぞれ最低1回使っていないと技は失敗する。
一度交代すると技のカウントはリセットされる。覚えている技が「とっておき」1つだと必ず失敗する。
一般的な「とっておき/バトンタッチ/アシストパワー/みがわり」の構成だと、バトンタッチ失敗を含めた3回の技選択を済まさないと「とっておき」で攻撃することができない。
すなわち、ちょうはつされたときの攻撃手段やラスイチにイーブイが残ってしまったときのあがきとしてはほとんど期待できない。
イーブイZ以外での選択技 |
Zワザ考察 [編集]
Zワザ | 元にする技 | 威力 | 解説 | |
---|---|---|---|---|
ナインエボルブースト | とっておき | - | 攻撃/防御/特攻/特防/素早さが2段階上昇する、イーブイ専用Zワザ。 バトンタッチと合わせてイーブイの採用理由に直結している。 使用者の特性に影響を受ける。たんじゅんなら4段階上昇、あまのじゃくなら2段階下降する。 |
型考察 [編集]
ナインエボルブーストバトン型 [編集]
特性:にげあし/きけんよち
性格:おくびょうor耐久↑
努力値:HCS調整
持ち物:イーブイZ
確定技:とっておき/バトンタッチ/アシストパワー/みがわり
専用Zワザのナインエボルブーストによる全能力二段階上昇をバトンタッチで引き継ぐことを狙いとする型。
成功すれば容易に全抜きが狙えるが、イーブイの素の能力の低さ(H振りでも霊獣ランドロスの特化じしんで確1になるほど)から、決めるには壁などのサポートが必須。
構築の主軸になり得て、イーブイ唯一の第一線で活躍できる型であるため、現環境ではほぼ全てがこの型。
一回きりの大技なので、使うタイミングには十分に注意したい。
技構成は多少差はあれど基本的にはとっておき/バトンタッチ/アシストパワー/みがわりが圧倒的多数。
ごく稀にみがわりやアシストパワーが、再登場後に襷耐えの敵を狩れるでんこうせっかなど、他の技に変わっているケースがある。
バトンメタであるほえるやほろびのうた持ちへの対策として、イーブイ自身で殴る選択肢を持つことは一考の余地がある。
一例として、アシストパワーがあればメガゲンガーやドヒドイデに後出しからほろびのうた・くろいきりをされる前に先制確1で倒せる。
C65イーブイの特攻2段階上昇威力220アシストパワーでH167D115メガゲンガーが112.5%~132.9%の確定一発。
C77イーブイの特攻2段階上昇威力220アシストパワーでH157D162ドヒドイデが100.6%~119.7%の確定一発。
努力値は耐久は特に重要だが、上記のような場合やちょうはつを受けた時の事を考えると特攻にも振っておきたい。なお、H極振りはHP>防御+特防となり非効率。
素早さは最速にすることで実値117になり、無振り96族=準速64族まで抜くことができる。
100族付近では無振りということは少ないので無振り96族抜きにはあまり意味はないが、最速にすることが少ない60族の多くより先に動くことができる点は優秀。
60族にはジバコイルやギルガルド、すぐ上には61族のバンギラスやテッカグヤなど非常に強力なポケモンが多い。
また、最速にしておくことでエボルブースト後S実値234になり、ちょうど最速テッカニン抜きなので、先制技やS補正なしではまず抜かれることはない。
【ダブル】ナインエボルブースト型 [編集]
特性:にげあし/きけんよち
性格:おくびょうor耐久↑
努力値:HCS調整
持ち物:イーブイZ
確定技:とっておき
優先技:アシストパワー/バトンタッチ
選択技:みがわり/みきり/てだすけ
基本的にシングルと同じく、ナインエボルブーストを通す事が目的。
運用方法も技もほぼ同じだが、みきりと再登場後に味方の火力補助が出来るてだすけが選択肢に入る。
味方がじこあんじを使えば能力上昇をコピーできるので、必ずしもバトンタッチを入れる必要はない。
シンプルビームもしくはたんじゅんスキルスワップを味方に撃ってもらえば、全能力4段階上昇。
おいかぜによる起点作りも可能なネイティオなどがおすすめ。
ちなみに特性たんじゅん+スキルスワップを両立できるのはココロモリのみ。
低耐久だがS114でおいかぜも覚えるので、こちらもありか。
安定してバトンを渡すことを重視するなら、しんかのきせきピッピを横に並べてフレンドガードやこのゆびとまれで守ってもらうという展開方法もある。
ダブルではほろびのうたがシングル以上に多いので注意が必要。
メガゲンガーやニョロトノ辺りはメジャーかつ搭載率高め。
起点作り考察 [編集]
- ユクシー
- あくび、ステルスロック、おきみやげ、はたきおとす等起点作りに優秀な技が揃っている。
バトン先考察 [編集]
全抜きを成せるだけの技範囲・火力・速さ・耐久力と
バトンタッチに頼らずとも汎用的に活躍できる性能があると優秀。
イーブイの弱点である格闘技への耐性や、状態異常耐性があるとなおよい。
- エーフィ
- 特性マジックミラーにより、かたやぶり持ち以外のほえるやちょうはつを始めとした妨害技を受けない。
格闘の一貫も切れるほか、アシストパワーを一致で扱え、あさのひざしで回復したりめいそうで更に積むこともできる。
バトン先としての安定感と爆発力を兼ね備えており、最も人気な組み合わせ。
- ゴロンダ
- ワルビアルと同じく一貫性の高い一致つけあがるを扱える。耐久はワルビアルと同程度。フェアリーが4倍だが弱点自体は少ない。
特性かたやぶりによりばけのかわやがんじょうに強いのが特徴。ワルビアルと違い先制技も扱える。
H振りミミッキュは無振りでやけど時でも余裕の確1。
ちからもちマリルリの特化じゃれつくは半減きのみ込みなら無振りでも耐える。
メガクチートの特化じゃれつくは半減きのみを持った上でB204やH244B44あたりまで振らないと乱数。
- ピクシー
- めいそうやちいさくなるで自力で積むことも可能で、アシストパワーも使える。
マジックガードならばのろい耐性を得られ、てんねんならば相手の積み技を無視できる。
格闘の一貫も切れ、技範囲も優秀。苦手な相手も回避率を上げつつ回復して無理矢理勝ち筋を見出せる。
- メガボーマンダ
- 技範囲・火力・速さ・耐久力・格闘耐性・単体でも機能する汎用性を持つ。
物理型ならりゅうのまいで更に火力増強も可能。
特殊型のハイパーボイスは、相手のみがわりを貫通して超火力を叩き込める。
- メガガルーラ
- 技範囲・火力・速さ・耐久力・単体でも機能する汎用性を持ち、
きあいのタスキやがんじょうに頼った耐えしのぎを許さない。
グロウパンチによって自力で火力を補強することもできる。
ただし、イーブイとは格闘が一貫する。
- メガギャラドス
- メガシンカ前はいかくで防御を補強でき、メガシンカ後はかたやぶりにより防御特性が相手でも止まらない。
技の威力は全体的に低いが攻撃範囲は広く、りゅうのまいで更に積むことも可能。
格闘が一貫するが、メガシンカ前は半減できるのも優秀。
- メガラティアス
- 耐久・速さ・火力・格闘耐性に加え、一致アシストパワーもある。
めいそうで更に積むこともでき、素の状態でも起点化できる相手は多い。
- トゲキッス
- 技範囲・火力・速さ・耐久力・格闘耐性を持つ。
高速エアスラッシュによる怯みが非常に強力だが命中95なのは注意。
バトンタッチ前提により汎用性を落とすがアシストパワーにより超火力も出せる。
- カプ・レヒレ
- 火力こそ劣るものの、状態異常耐性・耐久力・格闘耐性が優秀。
対イーブイ [編集]
- 注意すべき点
- ナインエボルブーストからのバトンタッチを決められると全壊の恐れがある。
イーブイパーティは基本的に他のポケモンで起点を作ってイーブイに交代し、エボルブーストからバトンタッチでエースにつなぐ流れになる。
少しでも起点化を許してしまうとそのまま全抜きされるケースが多い。
ダブルだとイーブイの相方がサポートしてくるため、成功率が上がり更に危険。
- 対策方法
- 見せ合いの時点でサポート役やバトン先と共にすぐにわかるため、今できる対策を投入しバトンを全力で妨害する。
イーブイ登場からバトン後のエースが行動するまで最低でも2ターンの余地があるため、この2ターンの間に対策する必要がある。
- 代表的な対策としては
- 交代変化技 (ほえる、ふきとばしなど。マジックミラー持ちにはすてゼリフ)
- 交代攻撃技 (ドラゴンテールなど)
- 能力変化対応技 (くろいきり、クリアスモッグなど)
- かわりものメタモン (エースを能力上昇ごとコピー)
- ちょうはつ (ブーストはされるがバトンタッチさせない、ただしブーストターンに受け出しの場合は次のターンにブースト後のイーブイより先に動く必要があり、ちょうはつ成功後もイーブイのアシストパワーを耐える必要がある)
- 状態異常 (どくどく、キノコのほうしなど)
- 状態異常でないスリップダメージ (ゴーストタイプのろい、やどりぎのタネ)
- 一撃必殺技
- ほろびのうた
- バトンされる前にイーブイを倒してしまう(主にメガルカリオを筆頭に高火力格闘タイプなど)
- 高火力ポケモンで積み技を使うことで、そもそも起点化やナインエボルブーストを使う隙を与えない
- 特性てんねんで、能力上昇を無視する(ただしアシストパワー・つけあがるの威力上昇は防げない)
- ただし、特にエーフィを筆頭に特性マジックミラーのエースが控えている場合は、上記の1,6では対策が難しく、7のやどりぎのタネも通らない。
また、イーブイのエボルブースト後の行動パターンは大きく分けて、アシストパワーで攻撃orバトンタッチorみがわりを使ってバトンタッチという3パターンがあるため、
実際は上記の対策ができるポケモンであってもブースト後のイーブイのアシストパワーに耐えられ、かつみがわりの対策も必要となる。
これらを踏まえると、上記の2,4もやや決まりにくく、7はスリップダメージで削りきる前に倒される恐れがあり、8は運が絡み、10はイーブイの耐久と素早さが上がることもあってやや難しい。12は能力変化は無視できるがアシストパワーの補正はそのままなのでエースがエーフィ等の場合は意味が無い。
結論としては、上記全てが対策になるものの、特に3のくろいきりとクリアスモッグ、9のほろびのうたが確実な対策となる。ただし、クリアスモッグははがねタイプには効果が無いので注意。
基本的にエボルブーストパーティはナインエボルブーストに完全に依存しているため、なんらかの方法で能力上昇を解除してしまえば、先方の起点作り要員とイーブイは置物になりエースのみしか戦闘要員が残らないため、そのまま勝てるケースが多い。
ヤミラミであれば後出しからでもいたずらごころによる先制の挑発でバトンタッチを妨害できる上、アシストパワーも無効なのでほぼ完封できる。
ヤミカラスもいたずらごころ持ちで、みがわり貫通のくろいきり・ほろびのうたを覚え、アシストパワー無効。
また、くろいきり・ほろびのうたはいたずらごころでもサイコフィールドによって妨害されない。
ダブルにおいてはおいかぜやトリックルームによる先制、シンプルビームを受けてからの4段階上昇やじこあんじによるコピーも行われるため、対策手段はさらに限られる。くろいきりやほろびのうたも隣からちょうはつが飛んでくる可能性があり決め辛い。エルテラなどの格闘高火力で強引に突破する手もあるが、最速エーフィのサイコキネシスにより確1される懸念がある。
なお、イーブイでZワザを使うのでバトンエースはZワザを使えない。
エースがメガシンカの時は意味が無いが、頭に入れておこう。